子宮にできる平滑筋腫という良性の腫瘍です。30~40歳代に多く、月経痛や月経量が多くなります。エコー検査で簡単に診断できますが、 状況によっては貧血検査やMRI検査を行います。筋腫の大きさだけでなく、発生部位 (粘膜下、筋層内、漿膜下) 、年齢、症状によって手術が必要になることがあります。
子宮内膜に類似した組織が卵巣や子宮周囲に増殖する病気です。現在月経のある女性の約10%が子宮内膜症になっていると言われています。激しい月経痛、下腹部痛、 腰痛、性交痛、排便痛などがみられます。エコー検査、MRI検査による画像診断が有用であり、血液検査が必要なこともあります。 鎮痛剤、漢方薬などの対症療法でコントロールできない場合にはホルモン剤 (低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬 (LEP) 、プロゲスチン剤、GnRHアナログ剤を使用します。
子宮内膜に類似した組織が子宮の筋肉の中にできる病気で、子宮筋腫のように“こぶ”ができず、子宮全体が腫大します。子宮筋腫と同様に月経痛や月経量が多くなり、 月経以外にも下腹痛、腰痛、出血がみられることがあります。エコー検査で診断されますが、MRI検査や血液検査が必要な場合もあります。 治療は子宮内膜症と同様なホルモン療法と手術があります。
子宮入り口 (頸部) のがんで若い女性に増えています。頸部の細胞を採取して判断します。もし異常が見つかればコルポスコピーと組織診、 ヒトパピローマウィルス (HPV) 検査が必要となります。また前がん病変であるCIN (異形成) も診断可能で、 その程度に応じて経過観察、レーザー蒸散治療、円錐切除などが必要です。
子宮の奥にできるがんで近年増加傾向にあります。不正出血、閉経後出血、月経異常、褐色のおりものなどの症状がみられます。 高齢者に多く発生しますが、40歳代後半からリスクが高まります。エコー検査で内膜を観察し子宮内に細い器具を入れて 細胞を採取 (子宮内膜細胞診) します。細胞診で異常を認めた場合は子宮内膜組織検査を行い診断を確定します。MRI、CT、血液検査を行い、進行具合を推定します。
早期の卵巣腫瘍はほとんど症状がなく、健診などで偶然発見されることが多いです。ほとんどは良性の卵巣嚢腫ですが、卵巣がんもあり、エコー検査、MRI検査、 血液検査で判断します。また、腫瘍ではなく、ホルモンの影響により一時的に卵巣が腫大する機能性嚢胞も若い人に多くみられ、経過観察が必要になることもあります。
細菌性腟症 腟内の善玉菌 (主に乳酸桿菌) が減少し、悪玉菌が異常に増殖することで起こる腟炎です。性感染症とは異なり、特定の病原菌によるものではなく、 腟内の細菌バランスの乱れが原因です。おりものが増え、酸性度が低下して臭いが生じる場合があります。抗菌剤の使用で治ります。
外陰・腟カンジダ症 外陰部や腟にカンジダ菌という真菌 (カビの一種) が異常に増殖して炎症を起こす感染症です。外陰部や膣のかゆみと白いヨーグルト状・酒粕状のおりものが特徴です。 免疫力の低下や抗生剤を使用した時に発生しやすくなります。腟内洗浄と抗真菌剤の使用で良くなります。
萎縮性腟炎 主に閉経後に多く見られ、女性ホルモン (エストロゲン) の分泌量が低下することによって、腟や外陰部の粘膜が萎縮・乾燥し、炎症を起こす状態です。陰部の痛み、 不快感、かゆみ、おりものの異常、性交時の痛み、不正出血などの症状が出ます。ステロイド外用剤や保湿剤、ホルモンの補充が有効です。
外陰炎や外陰部のかゆみは、女性の外陰部に起こる不快な症状で、原因は感染症 (カンジダ、トリコモナスなど) 、接触性皮膚炎 (かぶれ) 、 乾燥・萎縮など様々であり、原因に応じた治療が必要です。
性感染症は性行為による感染症です。クラミジア、淋病、トリコモナス、ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒、マイコプラズマジェニタリウムなどがあります。 女性の場合、症状が出にくく気づきにくいため、知らないうちに感染が進行し、不妊症や母子感染など深刻な影響を及ぼすことがあります。ご本人とパートナー両者の治療が必要になります。
クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされ、日本でもっとも多く見られる性感染症のひとつで、特に10代〜20代の若年層に多いとされています。 自覚症状に乏しいことが多く、放置すると卵管炎による不妊や骨盤腹膜炎や肝周囲炎を引き起こす場合があります。 またのど (咽頭) 感染もよく見られます。抗生剤で治りますが、治療開始3週間後の再検査で完治を確認することが重要です。
淋菌による感染症で、男性と異なり症状が乏しいことがあります。症状としておりものの増加、排尿痛、頻尿があります。 放置すると発熱と激しい下腹痛が起こり入院が必要なことがあります。のど (咽頭) の感染もあり、抗生剤の点滴が効果的です。
梅毒スピロヘータによる感染症で、日本においても毎年1万5000人以上が診断され増加傾向にあります。性的接触により皮膚や粘膜の小さな傷から感染し、 約3週間で陰部に硬性下疳 (潰瘍形成) ができ、3ヶ月後に全身に散布され症状を伴わないバラ疹が出現します。 進行すると心血管・神経系など多臓器に重篤な障害をもたらすことがあります。梅毒は症状が現れたり消えたりをくり返すことが特徴で、 感染していることに気づかない人が多くいます。感染の心当たりがある方は、早めの受診が必要です。梅毒は適切なペニシリン系抗生剤で治癒します。
単純ヘルペスウイルスによって引き起こされ、一度感染するとウイルスが体内に潜伏し、免疫力が低下した際などに再発を繰り返すことがあります。 陰部の違和感、痛み、小紅斑、小水疱 (後に破れ浅い潰瘍) が現れ、発熱、そけい部のリンパ節腫大など全身症状がみられます。 早期に検査して抗ウイルス剤治療で症状を短縮して治癒します。
ヒトパピローマウィルス (HIV) によって引き起こされるイボです。1~3mmの大きさで性器や肛門周囲に現れます。 痛みやかゆみがなく、気づくのが遅れることがあります。外科切除とクリームによる治療があります。
トリコモナス原虫による感染症で、膣や尿道に感染を引き起こします。おりものが増え、外陰部のかゆみをなどの症状が現れます。抗菌薬で治療します。
マイコプラズマジェニタリウムという非常に小さな細菌による感染症で近年増加しています。 主症状はおりものの増加で、頻尿や排尿痛などの尿路症状がみられることがあります。適切な抗生剤治療が必要です。
月経に伴って生じる腹痛、腰痛、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛などが生じ、日常生活に支障をきたします。 子宮内膜症などによる器質性月経困難症と機能性月経困難症があります。
月経前症候群 (PMS) は月経の7~10日前からみられる体と心の不調で、気分の落ち込み、情緒不安定、イライラ、不安、眠気、集中力低下などが現れ、 月経が始まると緩和します。重症になると月経前不快気分障害(PMDD) と診断されます。
通常の月経周期は25~38日で、39日以上または24日以内の場合を月経不順と言います。多くはストレス、 過労、体重の急激な変化、薬などによりホルモンバランスが乱れて生じますが、卵巣の異常でも起こります。
月経以外の出血は、腫瘍、炎症、ホルモンバランス、妊娠、裂傷・びらんなど数多くの原因があるので医療機関の受診が必要です。
大切な予定行事が月経とぶつかりそうな時に、ホルモン剤 (中用量のピルか黄体ホルモン) を使用して月経をずらすことができます。自費で4.400円 (税込) です。
避妊に失敗した時に妊娠を防ぐために服用するホルモン剤です (11,000円 (税込)) 。性交後72時間以内に服用する必要があり、できるだけ早く服用するほど効果が高いです。
低用量ピルは避妊目的のピル (OC) と月経困難症の治療目的のピル (LEP製剤)があります。OCは自費(2,750円(税込))であり、LEP製剤は保険適応です。安全にピルが飲めるかどうか、前もって問診チェックシートの記載が必要です。
予定の月経が10日以上経過しても来ない場合は妊娠の可能性があります。妊娠初期は子宮内で正常に妊娠していることをエコー検査で早期に診断することが重要です。 妊娠5週で胎囊 (羊水を含む黒い袋状の構造) がみられ、妊娠6週で胎児が、その後心拍が観察され、妊娠8~9週ころに胎児の大きさ (頭からお尻までの長さ) を 計算して総合的に考え「分娩予定日」を決定します。当クリニックは、本院と連携をとり胎児の発育と妊婦の健康状態を慎重にみていきます。 もし妊娠継続が困難な場合は診察後にお申し出いただければ詳細をお知らせします。
50歳くらいで閉経を迎えます。その前後45~55歳は女性ホルモンが減少して、体に変調が現れ、日常生活に支障がでる場合を更年期障害と言います。 イライラ、気分の落ち込み、発汗、ほてり、頭痛、動悸、関節痛など様々な症状がみられます。漢方療法やホルモン補充療法があります。
子宮、腟、膀胱、直腸は骨盤底筋によって支えられています。加齢などの原因により正常位置から脱出する病気を骨盤臓器脱 (子宮脱、膀胱脱、直腸脱) と言います。排尿トラブルを合併することあり、保存的治療と手術が必要な場合があります。
閉経後に女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少して骨密度が減少し骨が脆くなります。 日常生活 (バランスの良い食事、運動、日光浴など) と骨密度のチェックが重要です。
避妊せずに性生活を1年間送っていても妊娠しない場合を不妊症と言います。女性の不妊が疑われる場合はホルモン検査、 エコー検査、卵管疎通性検査などが必要となります。
当院ではオンライン診療がご利用いただけます。オンライン診療では、お手持ちのスマートフォンでご自宅やお勤め先から、 医師による診察後、当院でピルや継続処方されている方は受けることができます。
子宮頸がんの90%以上はHPV感染が関係します。HPVとはヒトパピローマウィルスで、男性との性交渉によって感染を受けます。 子宮頸がんに関連するハイリスクHPVは13種類あります。検査が陰性であれば子宮頸がんに発展する可能性は低くなります。
子宮頸がんの予防ワクチンです。現在普及しているワクチンはシルガード9で16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型の感染を防ぎ、 尖圭コンジローマの6型、11型も予防できます。適切な時期に接種すると子宮頸がん予防効果は90%あります。接種を希望される日の1週間前にご予約を受け付けています。
プラセンタ注射はヒトの胎盤から抽出されたもので、胎盤に含まれている豊富なアミノ酸、ビタミン、ミネラルなど体質改善に効果的です。症状や年齢によって保険診療か自費診療になります。
結婚・妊娠前に行う体のトータルチェックです。健康状態に問題ないことと妊娠・出産に影響をあたえる疾患や異常を早期に発見して、リスクを軽減することができます。
ミレーナと言う避妊器具を子宮内に装着します。器具内に黄体ホルモンが含まれ、月経量を減らし、内膜を薄くして受精卵の着床を妨げます。避妊効果は99%で、一度挿入すると5年間有効です。自費で器具料金代は66,000円 (税込) です。