和痛分娩
和痛分娩について
和痛分娩とは、腰部硬膜外麻酔を用いて陣痛の痛みを和らげ分娩を進めるものです。(一般的には無痛分娩と呼ばれている方法です)
安全に和痛分娩を行うため当院では計画分娩(誘発分娩)を行っています。硬膜外麻酔は麻酔科専門医が行っています。
当院における和痛分娩の方法
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和痛分娩は、完全予約制、計画分娩(誘発分娩)です。
希望の方は妊娠8週以降に診察室で医師に直接お申し出ください。なお、予約枠に限りがございます。8週以降で早めの予約をおすすめします。(先着順)
経産婦さん:和痛分娩予約時(分娩予約ではありません)に入院日を決めます。
初産婦さん:初期のうちに和痛予約を完了させ、後期(36週以降)の健診時に入院日を決めます。
※初産婦さんの場合は子宮の状態が分娩に対し未熟な状態で誘発分娩を行うと、期待した分娩進行にならずに帝王切開になる可能性が上昇します。
そのため、妊娠36週以降の子宮口を始めとした母体の状況、胎児の状態から総合的に判断しながらスケジュール調整をしていきます。和痛分娩予定の妊婦さんはなるべく同じ医師を受診した方が所見の変化をとらえやすくお勧めです。
電話およびインターネットでの和痛分娩予約は受け付けておりません。- 入院の流れ
- 和痛分娩実施前日に入院し、内診所見により、分娩誘発の方法を決定します。
- 和痛分娩実施当日に分娩誘発剤の点滴を開始します。
- 硬膜外麻酔のためのチューブを背中から挿入します。分娩の進行と痛みの程度に合わせて 麻酔薬を注入し、分娩終了まで痛みをコントロールします。
※飲食はできます。分娩まで、ベッド上で過ごしていただきます。 トイレは、麻酔の効果をみながら歩行していただくか、管で尿をとります。
※硬膜外麻酔とは
横向きになり、背中を海老のように丸めた姿勢で、極細い注射針で痛み止めの注射を行います。
その後、背中に硬膜外針を刺し、その針の内腔からカテーテルを入れて、麻酔薬を注入し痛みを コントロールします。 - 入院前に、陣痛発来や破水した場合、原則として和痛分娩を行うことが出来ませんが、平日の昼間であれば可能な限り対応します。
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安全性を考慮し、9:00~17:00の実施となりますので、夜間・休日は行いません。
※骨盤位の場合は、おおむね36週位の手術前検査の日をもって予約をキャンセルさせていただきます。 - 和痛分娩を行うことができるのは、誘発分娩を開始してから(原則)2日間です。
- 入院後、処置を開始した場合は、医療上の観点から一時退院は出来ません。
- 和痛分娩のための処置を行った場合は、その後の分娩経過に関わらず料金が発生します。
- 指輪・ネイル・エクステ・アクセサリーは、必ず外しておいてください。
- コンタクトレンズの方は、メガネもご用意ください。
硬膜外麻酔の副作用
- 低血圧
- 吐き気
- かゆみ(薬疹が出た既往の方は、必ず事前にお伝えください。)
- 尿意を感じない
- 発熱
※上記の副作用は、一過性のものです。薬液の効果が無くなれば消失します。
※赤ちゃんへの副作用はほとんどないと言われています。
合併症
- 放散痛、背部痛
- 偶発的硬膜外穿刺と頭痛
- 硬膜下穿刺および薬剤注入
- 偶発的血管内注入
- 神経学的合併症(下肢のしびれ、感覚鈍麻など)