原発性免疫不全症・ライソゾーム病追加検査のご案内
2021年9月1日生まれ以降のすべての赤ちゃんを対象に、原発性免疫不全症・ライソゾーム病検査が有料で受けられるようになりました。
新生児マススクリーニング検査について
生まれてすぐには気づかれず、気づいた時には重い障害を残す可能性のある病気があります。そのような病気も生後できるだけ早い時期に診断し、治療を行うことで症状の進行を抑えることが期待できます。
現在札幌市では生後4日から6日目のすべての赤ちゃんを対象に、26種類の代謝異常症・内分泌疾患のスクリーニング検査を公費で実施しています。
しかし、この対象疾患以外にも、早期診断・早期治療が有効な疾患があり、今回そのうち以下の疾患について有料で追加検査が可能となりました。
対象疾患
- 原発性免疫不全症(重症複合免疫不全症、B細胞欠損症など)
- ライソゾーム病(ムコ多糖症Ⅰ・Ⅱ型、ポンペ病、ファブリー病、ゴーシェ病)
対象 |
生後4日から6日のすべての赤ちゃん | 検査方法 |
新生児マススクリーニング検査と同様にかかとからろ紙に採血します。 1度の採血で新生児マススクリーニング検査と追加検査をすることが可能です。 |
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費用 |
8,000円 |
検査結果 |
1か月健診時に、新生児マススクリーニング検査結果と一緒にお返しします。 |
原発性免疫不全症について
私たちのからだでは種々の微生物(ウイルスや細菌など)の侵入に対し様々な防衛反応が生じます。この仕組みを免疫系といいます。原発性免疫不全症は先天的にこの免疫系のいずれかに欠陥があり、生後間もなくより重い感染症に罹患する可能性があります。また、BCGやロタウイルス接種によってもワクチンが原因の感染症に罹患することがあります。生後早期(ワクチン接種前)に適切に診断することは難しいため、このスクリーニング検査をすることで感染症を未然に防ぐことが可能になります。
ライソゾーム病について
からだの細胞では生きていくために必要な成分やエネルギーを作り、いらなくなったものは細胞内の「ライソゾーム」という小器官で分解され排出されます。先天的にこのライソゾーム に含まれる酵素の働きが悪かったり、欠如したりすると、本来分解されるべきものが、からだの中に蓄積し、細胞の正常な働きができなくなります。こういった疾患を総称してライソゾーム病といいます。
一度、細胞の機能が障害されると元に戻すことはできません。早期に診断することで、酵素補充療法などを行い、症状の進行を抑えることが期待できます。
追加検査についての詳細は下記リンクをご参照ください。
一般社団法人 北海道希少疾病早期診断ネットワーク